特集

Where does my donation go?

「寄付の行方」Vol.1

髙井康行〈中央共同募金会 副会長〉 服部亮市〈日本赤十字社 総務局総務部長〉 川邊健太郎〈Yahoo!基金 理事/ヤフー 取締役副社長 COO〉

「Yahoo!基金」では、東日本大震災に際して総額13億7145万円の募金を集めました。送金先となった日本赤十字社、中央共同募金会の方とともに、寄付金の使い道、そこで見えた課題、さらにインターネット募金の未来について話し合いました。
(2014.11.25 掲載) text by Nao Niimi(KAI-YOU) photography by Shunsuke Mizukami

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Yahoo! JAPANが社会貢献事業の一環として提供する「Yahoo!基金」では、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被害救援を目的としたインターネット募金を開始し、募金総額13億7145万3800円、のべ93万5213件の募金(2011年3月11日~2012年1月31日)を集めた。

13億円は1日にして成らず

川邊ヤフーでインターネット募金を始めて11年目となりました。1995年1月に阪神・淡路大震災が起きたとき、私たちはインターネットを通して募金を集めるなどの支援がまだできませんでした。当時、インターネットは非常に未成熟なプラットフォームだったし、日本のヤフーはそもそも存在していませんでしたから(翌年1996年にサービス開始)。 2001年9月のアメリカ同時多発テロで、アメリカ国内ですばやく募金のインターネットサイトが立ち上がり、ものすごくお金を集めていて、われわれも災害時などに最大限の貢献をしたいと考えていました。

その後、2004 年10月に発生した新潟県中越地震の翌11月にYahoo!ボランティアのサービスとして「Yahoo!ネット募金」(当時の名称はインターネット募金)を立ち上げることができました。またこのときに、Yahoo! JAPANのすべてのサービスのトップページに、広告の配信システムを使い、地震発生後すみやかに地震情報、およびその後津波が予想される場合には、津波警報・注意報を表示する仕組みも実装しました。

また、何かが起きた際に後追いで募金を呼びかけるだけではなく、あらかじめ募金をプールしておいて、即時対応できる仕組みも必要だと思い、Yahoo! JAPAN創業10周年を迎えた2006年6月には、「Yahoo!基金」も設立しました。

当初、寄付金を預ける団体を探すのに苦戦していたのですが、赤い羽根の活動で有名な中央共同募金会さんが名乗りをあげてくださいました。さらに災害が起きた際にすぐに募金の受け皿として募金を開始できたのは、日本赤十字社さんが準備を始められる体制を整えてくれたからです。

服部災害が起きた際、義援金募集のために、常にNHKさんと中央共同募金会さんとわれわれ日本赤十字社という、だいたい3社が受け付けの大きな受け皿になっています。

髙井その最たる例が、Yahoo!基金の「東日本大震災緊急災害インターネット募金」として集まった13億円もの募金ですね。

川邊正確には総額13億7145万3800円、のべ93万5213件の募金がありました。

髙井募金の立ち上げが、地震が発生した3月11日の金曜日の夜でしたからね。われわれも月曜日には連携をとれましたが、その点ヤフーさんは即日に動いて、さすがインターネット企業、機動性がありますよね。

川邊東日本大震災のときは、いずれ中央共同募金会さんも日本赤十字社さんも立ち上がるだろうという前提で、すぐに募金を開始しました。即日募金を開始したのは初めてでした。

ほとんどの場合、ヤフーは中央共同募金会さんや日本赤十字社さんが動き出し、政府の災害対策本部が立ち上がってから行動を開始します。僕らは募金の専門家でもないので、判断基準を専門家の方々に委ねています。ただ、東日本大震災の場合は、誰に意見を仰ぐ必要もない程の大災害でしたし、発生直後からユーザーからも「今起きた地震の募金はやっていますか?」という問い合わせをたくさんいただき、とにかくすぐに募金を始めようと決断しました。土曜日と日曜日のあいだは、募金総額ページを更新するたびに、リアルタイムで1000万円ずつ増えていくほどの反響でした。

これほどの寄付を集められたのは、2006年の基金設立以降、大きな災害があるたびに緊急の募金を立ち上げてきたことの積み重ねにより、2011年までには、ユーザーにとって「ヤフーで募金できる」ということが認知されてきたのだと思います。

髙井2012年3月までに13億円という募金を集めたわけです。これは、ものすごいことです。被災された方々にとって、震災直後の生活に役立ったという点では非常に大きいと思いますね。

服部日本赤十字社が行った被災者への送金調査(ヤフーからの募金も含む)によると、受け取ったお金を「食料、衣服、生活用品など日常の買い物に使った」35.9%、「自宅の修復や建築など、居住環境の整備に使った」35.3%。また約半数がすぐに使ったと回答しています。

また配分される金額は、義援金配分割合決定委員会が決定しており、平成23年4月に行った第一次配分時を例にすると「死亡・行方不明者:1人当たり35万円」、「住宅全壊(全焼):1戸当たり35万円」、「住宅半壊(半焼):1戸当たり18万円」、「原発避難指示等:1世帯当たり35万円」などとなっています。

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