特集

Where does my donation go?

「寄付の行方」Vol.2

髙井康行〈中央共同募金会 副会長〉 服部亮市〈日本赤十字社 総務局総務部長〉 川邊健太郎〈Yahoo!基金 理事/ヤフー 取締役副社長 COO〉

「Yahoo!基金」では、東日本大震災に際して総額13億7145万円の募金を集めました。送金先となった日本赤十字社、中央共同募金会の方とともに、寄付金の使い道、そこで見えた課題、さらにインターネット募金の未来について話し合いました。
(2014.12.22 掲載) 「寄付の行方」Vol.1はこちら text by Nao Niimi(KAI-YOU) photography by Shunsuke Mizukami

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Yahoo! JAPANが社会貢献事業の一環として提供する「Yahoo!基金」では、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被害救援を目的としたインターネット募金を開始し、募金総額13億7145万3800円、のべ93万5213件の募金(2011年3月11日~2012年1月31日)を集めた。

東日本大震災を経て、寄付の意識は変わった?

服部手数料が取り沙汰されたことは、ただ寄付して終わり、というのではなく、寄付がどう使われたかまで意識される人が増えてきた証拠ですよね。

髙井東日本大震災を契機に、寄付してくださる方々の意識は高まっていると感じています。少なくとも4400億円以上の寄付金や義援金が集まりましたし、国民の4人に3人が何かしらの寄付をしたという民間調査もあります。

川邊東日本大震災を経て、間違いなく寄付への意識は高まり、その習慣もつき始めています。現に、以前と比べて、その後に起きた国内外でのさまざまな災害においても、Yahoo!ネット募金の募金総額は明らかに増加しています。

服部たとえ世の中が不況であろうとも、何か大きな災害が起きれば寄付しようという気持ちになる方は大勢いらっしゃいます。われわれとしてはこれを機に、日常的な寄付による援助の精神を育むための手助けをしなければいけないと考えます。

髙井そうですね。緊急災害支援以外にも、日常的に支援が必要な方々にも目を向けていただかなければと思っております。

川邊具体的に、日常的に支援が必要な方々とは?

髙井 今、時代的に、地域間における助け合いという意識が薄れています。そのため、孤立している方や生活に困窮している方々にも目を向けないといけません。地域には、児童虐待、家庭内暴力、不登校、社会的孤立、自殺など見えにくい課題がたくさんあります。これは、単発ではなく継続的な支援が求められる類いの問題です。共同募金会では、こういった問題に対して「赤い羽根共同募金」で毎年募金活動を行っています。全国のおよそ6万件の地域福祉活動や草の根のボランティア活動の支援活動に毎年165億円以上の助成をしています。

服部髙井さんがおっしゃるとおり、問題はたくさんあります。日本赤十字社では、寄付という参加方法以外にも、困っている人、苦しんでいる人の役に立ちたいという方を対象に、赤十字ボランティアについて全国の情報をウェブサイトで検索できるようにしています。現在、約220万人の方が活動してくださっています。

川邊今後、さらに日常的な寄付を増やしていくために、どういった取り組みが必要だとお考えですか?

髙井現在は「はねっと」というサイトから、自分の町をよくしようという切り口で、寄付できるようにもしています。家々を訪ねてまわる戸別募金という方法も行っていますが、都心ではなかなか集めづらく、その方法が最適にも思えませんので。

ただ今後は、いま以上に若い層からどうしたら理解を得られるのかを考える必要があります。住宅・家電エコポイントの導入やヤフーさんのTポイント募金など、インターネットで気軽にできるようになったことで、支援や寄付といった行為へのハードルは徐々に下がってきているように感じますが、もっと新しい手法を取り入れないといけないと痛感しています。

川邊なるほど。今回、東日本大震災の募金を行ったYahoo!基金では、「マッチング寄付」を採用しています。どういうことかというと、単にユーザーから集めるだけではなく、募金された金額と同額をヤフー株式会社も基金に寄付するということです。つまり、ユーザーの寄付金が2倍になるという仕組みなんですが。他の企業に対しても、こういったマッチング寄付を広げていけるとよいのかもしれませんね。

■特集|未来への扉をひらく

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  5. 04.駒崎弘樹 すべての親子が笑って暮らせる社会を
  6. 05.伊勢谷友介 美しい成長
  7. 06.有森裕子 他人を喜ばせる力は、自分を喜ばせる力に
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  9. 08.中村俊裕 テクノロジーがラストマイルに笑顔を届ける
  10. 09.山崎亮 誰がコミュニティをデザインするのか?
  11. 10.枝廣淳子 しなやかで、持続可能な社会
  12. 11.野口健 山が教えてくれた、知ることの本質
  13. 12.森山誉恵 子どもたちにツケを払わせない社会
  14. 13.ハリス鈴木絵美 一人ひとりの声は、インターネットに乗って社会を変える力に
  15. 14.小暮真久 誰かのためになることを面白がれる人に
  16. 15.道端カレン、山田淳「人と人、土地と人とのつながり」 Vol.1
  17. 16.北村孝之、高橋邦治、佐藤渉、立花丈美「人と人、土地と人とのつながり」 Vol.2
  18. 17.大会参加者レポート「人と人、土地と人とのつながり」 Vol.3
  19. 18.髙井康行、服部亮市「寄付の行方」Vol.1
  20. 19.髙井康行、服部亮市「寄付の行方」Vol.2
  21. 20.ジョルジェ・マキッチ「寄付の行方」Vol.3
  22. 21.「女性が働きやすい会社のつくり方」Vol.1
  23. 22.「3.11を機に問い直す、ヤフーのBCPとは?」
  24. 23.吉岡マコ「女性が働きやすい会社のつくり方」Vol.2
  25. 24.子どもたちの未来

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